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【コラム】訪問看護と暴力

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 医療の現場で、患者さんからの暴力が起こることがあります。悪意がなくても、待ち時間が長くなりイライラが行動となったり、職員の対応に対しての不満、疾患への今後の不安などが「怒り」として職員に向けられることがあります。認知症や精神障害などの疾患から引き起こされる暴力の場合もあります。

 病院内で起こるときは、怒りを向けられた看護師などから他の職員に変わり対応することができます。しかし、訪問看護は、一人で訪問することが多く、他の職員に代わってもらうことはできず、怒りを向けられた看護師が対応しなければなりません。

 暴力は、身体的な物だけでなく、暴言、威圧的な態度、セクシャルハラスメントなどがあります。「おまえなんか、辞めてしまえ」「バカ女」などと言われたり、杖で突かれたりもすることがあります。

 認知症や精神疾患のある患者さんが不安定になり、暴言がむけられたりすると「病気だから」と考え、1人での訪問の中での出来事のため「私の対応が悪かった」と自分を責めることで自分の中で解決してしまうこともあります。病棟であれば、患者さんの担当看護師が日々変わります。患者さんについて問題があり発言等した時、暴力を一人の看護師だけではなかったと共感できたり、問題解決につながって行くことになります。訪問看護は担当看護師だけが対象の患者さんを知っていて、他の看護師はどんな顔か知らないこともあります。

 病院内勤務の看護師は、ちょっと時間が空いたときや昼食の時立ち話などで情報交換や雑談、愚痴を言うことができます。訪問看護は、外へ出かけて行くため看護師同士雑談や愚痴をいう時間が病院内勤務に比べ少ないことも考えられます。忙しいと自分だけで抱え解決しようとします。その日々の積み重ねは、精神的にストレスとして蓄積され行くこともあります。

 A看護師は、訪問先のBさんの家族に何かと「専門家のくせに解らないのか?!」と強い口調で家族に言われてきました。ある日、認知症がどんどん悪化していく患者さんのことについて、家族はA看護師に「専門家のくせに治せないのなら、もう来ないでくれ。」と言われました。家族は認知症の悪化で疲れている、吐き出す場所がないので仕方ない。とA看護師考えました。車の中で気分を入れ替え次の患者さんの所に向かいました。しかし、今日は上司に相談しようと思ってステーションに帰ると上司がBさんの薬が変わったことを電話したら、お礼を言われたよ。と言われました。

 暴力が起こっても上司や同僚に訴えても信じてもらえないのではないかと躊躇することになってしまいました。自分の中だけでの解決しようとする行為につながります。

 患者さん、家族からの過大な要求やクレームも看護師としてケアの一環だと思いがちです。クレームにつながらないために、満足いく看護の提供のためにと捉えてしまうこともあります。「これも仕事の一部なんだ」と自分の中で納得させることもあります。

 患者さん、家族から希望、要求は、受け入れなければならない内容もありますが、暴力行為、暴言、セクハラなどの場合は歴然とした態度で対応する必要があります。出来事があった時にすぐに相談できる相手がいると暴力なのか確認することができます。

 医療現場での暴力は、十数年ほど前より世界的にも問題となってきています。日本看護協会でも世界の動きに注目し、国内での周知にも努めています。

 同僚の少しの変化を皆で気が付けるような職場環境である必要があります。小さな変化、ちょっとした発言でも暴力があった後、どう表現していいのか解らず出た言葉の時もあるのです。発言した人の言葉に立ち止まれる、訪問看護ステーションでなければなりません。

質問 Sep 4, 2016 公開 提案 事務局 (5,140 ポイント)

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