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【コラム】成年後見人制度を学んで役割を知る

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成年後見人制度は、認知症・知的障害・精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々が利用できる制度です。制度が出来15年ほどが経過しました。現在、認知症高齢者は500万人ともいわれる社会です。しかし、成年後見制度の利用者は18万人程度で利用は十分浸透したとはいない状況にあります。

判断能力が不十分になると財産を管理したり、遺産分割の協議をしたり、介護などのサービスで施設への入所に関する契約を結んだりなどが自分ですることが難しい場合があります。このような方々は、自分に不利益な契約であっても、判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。判断能力の不安な方々を保護し,支援するのが成年後見制度です。

成年後見に制度は、法定後見人制度と任意後見制度の2つがあります。法定後見人制度は、判断能力の程度により「後見」「保佐」「補助」に分かれます。

法定後見人制度は、家庭裁判所が後見人などを選任し決定されます。弁護士、司法書士、社会福祉士などが選定されます。この制度は、財産により報酬が変わります。低所得者のために、市民後見人も普及が期待されましたが、ボランティアで社会貢献の位置づけで活動することになります。活動には専門的知識も必要であるためなかなか市民後見人は、普及できない状況があります。

「後見」が選定されると選挙権が無くなることが問題視されていることがありましたが、公職選挙法の規定により平成25年5月から「成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律」が成立し、「後見」選定され利用が開始された後も選挙が出来るようになっています。「保佐」及び「補助」ついては、もともと選挙権は制限されていませんでした。

 後見人制度と医療を考えた時、入院時の身元保証人、身元引受人についての話を耳にします。

例えば、後見人が選定されているAさんの家に訪問看護が訪問しました。その時、Aさん受診、治療、入院が必要な状況でした。看護師はAさんを救急搬送することにしました。そして、Aさんの後見人に連絡し病院に来てくれるよう依頼しました。

Aさんは、入院し検査、治療、輸血も必要と判断され、主治医は、後見人に病状を説明し、入院への保証人、身元引受人のサインをするよう話しました。

身元保証人、身元引受人の責任は一般的には、①緊急の連絡先②入院費・施設等利用料の支払代行③債務の保証(入院費・施設等利用料・損害賠償)④本人生存中の退院・退所(退去)の際の居室等の明渡しや原状回復義務の履行⑤入院計画書やケアプラン等の同意

⑥医療行為(手術・予防接種等)の同意⑦遺体・遺品の引取り・葬儀等があたります。後見人は、①②④⑤は後見人の職務内容ですがその他は職務ではありません。③については、後見人等は、「後見によって生じる費用は本人の財産から支払う」ので、後見人等が保証人として負担するべきではありません。仮に保証人として負担することになると後見人等は本人に対して求償権が生じることになります。後見人等と本人の利益が相反する関係に立ってしまうため適切とはいえません。⑥については後見人等には医療同意権がありません。⑦については、本人が死亡すると本人の財産に関する権利義務は相続人に承継されます。

後見人だから、命にかかわるからと医療者はサインを急ぎます。職務ではないが、後見人はAさんの命のことを考え、身元保証人欄に二重線を引き、成年後見人としてサインしました。

 医療関係者は、身元保証人、身元引受人がいないと命が守れないのでサインを急ぎます。しかし、後見人等(保佐人、補助人)も家族ではありません。後見人等も在宅医療チームであればその中の一員です。最近では、社会的に後見人制度の普及しサインの欄に後見人と記してあるところもあります。

成年後見人制度は、解りにくい面も多くある制度です。普及が必要ですが普及していかない原因はここにあるともいえます。しかし、制度を知っておくことで、その職種の役割を解りなぜそうしなければならないのかが解ります。そこには、患者さんを守るため支援があります。

質問 Aug 20, 2016 公開 提案 事務局 (5,140 ポイント)

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