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【コラム】アール・ブリュットが今、熱い!

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アール・ブリュットって知っていますか?

 日本では、障害者福祉の現場で生み出される芸術が注目されアール・ブュットとして紹介されています。

 そもそも、アール・ブリュットは、ジャン・デュビュフェという20世紀のフランスの画家が従来の西洋美術の伝統的価値観を否定して、「生の芸術」を提唱したことに始まります。

 その後、イギリス人著述家・ロジャー・カーディナルがアウトサイダー・アートと英語表現に訳し替えました。アウトサイダー・アートは、絵画や彫刻だけでなく、服飾、映像、文学、音楽などとしても現れ、またある種のインスタレーションや建築、庭園など作品というより空間の形態を取ることもあります。日本では、アール・ブリュットの名前の方が良く聞くと思います。

 デュビュッフェ自身は障害者が描いた作品とは一切言っていません。芸術を学校などで学び、芸術作品で生計を立てたり、既存の団体に発表することではなく、独学で孤独に作品を作り続けた様々な人達、例えば障害者、刑務所などで初めて絵画に取り組んだ人達などの作品が「生の芸術」の本来の意味です。しかし、狭義的には、障害者の作品を指し言うことも多くあります。

 山下 清史氏は貼り絵で有名な作家ですが、知的障害者施設、八幡学園に入所しその作業の中から才能が開花していきます。イタリアの精神病院を廃絶する「バザリア法」と精神障害者と社会、地域を題材にした映画「ここに、人生あり!」は木の破片で床を貼る仕事から芸術性が開花されていくアートブュットについても題材にされています。日本でも多くの施設の作業や職業訓練の一つとして粘土、陶芸、絵画などが実施されその中で障害のある人たちの創造性のある時にはユニークな作品を目にしていました。その施設単位で販売など行われています。

 90年代以降作品の一部が海外で発表され、現在は日本各地の美術館で展示されるようにもなって来ています。

 障害者施設は、様々な特徴をもって運営されています。施設に通所するようになり、才能が見いだされ、発揮されることもあります。

 Aさんは大きな交通事故の後、在宅での暮らしをすることになりました。訪問看護が1週間に1回訪問しますが、その他は何もない暮らしが退院後続いていました。病状も障害の程度も落ち着いていました。Aさんはまだ45歳で、訪問看護師はこれからの人生が今のままでいいのかと考えていました。

 そんなある日、訪問時にAさんの母親から小さいころは絵が好きで美術学校へ行きたいと希望していた話を聞きます。そこまでの才能はなかったと母親は話しました。看護師は昔話のように話を聞き、訪問看護ステーションに帰りました。数日後の会議で、その話を出してみました。看護師の一人は、絵を書いたり、物を作ったりするのが好きならばそんな施設を探してみてはどうかとアドバイスをもらいました。そして、地域の暮らしの相談に乗ってくれる支援センターに相談することになりました。しかし、その前にAさんの気持ちを聞かなくてはなりません。Aさんは最近心を閉ざしがちでした。Aさんには、嫌なら辞めればいいのでまず行ってみませんか?と話ました。

 絵画、陶芸、詩などを作業として取り入れ、展覧会などを販売しているし施設があります。芸術家や企業と製品化にはどうすればいいのかとコラボしている所もあります。福祉的就労施設ならば、一般的な就労の賃金とはかけ離れた金額ではありますが、工賃という給料が出ました。Aさんが施設を利用してどんな日々を過ごすのかはわかりません。でも、まずは通ってみることにしました。訪問看護師は、これからAさんがどんな表情になっていくのかどんな作品が出来て行くのかとても楽しみにしています。

 

 

質問 Aug 4, 2016 公開 提案 事務局 (5,140 ポイント)
編集 Aug 10, 2016 事務局

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