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【コラム】ACTを知っていますか?

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 ACTは、精神科疾患がある患者さんの在宅生活を医療を含む多職種チームによる訪問等で支えるアウトリーチの支援のことを言います。

 ACTこれだけの意味は英語で行動です。ここで言うACTはAssertive Community Treatment (ACT)日本語訳では、 地域医療および各種生活支援を含めた「包括的地域生活支援プログラム」となります。ACTのAssertive という言葉は、もともと支援者が患者さんに積極的にかかわるという意味が込められていたようです。患者さんの主体性も大切にするという考えから、患者さんが積極的に自己主張をするという2つの解釈が現在はあるようです。

 1970年代初頭、米国で開発されました。この頃は、脱施設化の最盛期で多くの患者が州立の精神科病院から地域へ退院していきました。しかし、社会資源が十分に開発・統合されていませんでした。ウイスコンシン州でモデル事業が行われ、歴史的に大きな影響を与えるサービスと言われ発展していきます。その後、オーストラリア、フィンランド、イギリスなどで取り組みがされています。

 日本でも24時間365日対応を前提に精神科医、精神科看護師、精神保健福祉士、ケアマネジャー、作業療法士など多職種による協労チームが精神障害者の支援をしています。地域生活していく上での支援、社会復帰が出来る支援、再発予防のための訪問サービス、服薬管理、社会適応訓練などを行います。多職種支援なので治療とリハビリテーションの両面を併せ持ち、それを地域において提供しています。対象者は、すべての精神疾患がある在宅患者さんではなく、通常の対象になる患者さんは、統合失調症や躁うつ病などの精神障害を抱えた方で精神科救急サービスを頻回に利用される方、医療を中断した事があり継続的な通院が出来なくなった方、長い間入院を余儀なくされ退院してきた方などです。

 行政の中でも障害者総合支援法における地域移行、地域定着事業の見直し、精神保健法の改正、精神保健確保指針の策定を踏まえて精神医療のネットワーク化や地域ケアが重要視されています。ACTのアウトリーチと行政機関の保健センターなどの具体的な体制が整えられてきています。ACTの多職種チームと地域の保健センターや福祉関係者とを合わせたチームが支援していくこともあります。精神科疾患に特化した在宅医療チームが形成され患者さんの支援にあたり、その患者さんが地域でその人らしく過ごせるように支援します。

 地域で暮らしている精神科疾患がある患者さんはたくさんおられます。何かのきっかけで体調を崩してしまわれることがあります。生活環境が変わってしまったり、ひどい風邪をひいてしまったり、何がきっかけになるかは患者さん自身も支援者も解らないこともあります。

 Aさんはある日、ひどい風邪で寝込みました。風邪薬を飲み、統合失調症の薬は内服しませんでした。風邪薬が重要だと考えたそうです。風邪が治ったあとも統合失調症の症状は何もなく、Aさんは風邪薬が統合失調症の症状も一緒に直してくれたと思い。その後も薬を内服しませんでした。

 やがて、通勤していた福祉的な就労施設に行けなくなり、通院も行けなくなってしまいました。就労施設の職員が電話してもすぐに切ってしまわれます。家に訪ねて行っても会ってくれません。Aさんの内服の中断は今回が初めてではありませんでした。近隣の住民ともトラブルが起きたこともあります。地域で支援していた関係機関で会議を持ち、将来のことも考えACTに今後参加してもらうことにしました。しかし、会ったこともないACTのスタッフが訪ねて行っても会えるとは思えません。支援者は、訪問を繰り返しその際にはACTのスタッフに一緒に行ってもらうようお願いしました。

 Aさんは、ACTの関わりが始まりまた内服が再開されました。今後、就労施設の通所再開を目指しています。

質問 Aug 4, 2016 公開 提案 事務局 (5,140 ポイント)

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